刹那の憂い(セツナのウレい)
「たまには中で、ゆっくりお茶でもしよう、なんて、思わないんだ、紫苑ちゃん」

「思わない。緊張して、硬直しそうだ」

「硬直しても、いいけど?」

「ついでに窒息する」

「それは、困るけど。・・・でもそこまで緊張しなくても。・・・って、やっぱりオトコギライなのか?」

あたしは、じっって、刹那を見た。

かわいく整っている顔。

超オトコギライでも、コノヒトなら完全に例外になれるだろうな。



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