刹那の憂い(セツナのウレい)
「本当に?」

疑わしげに、彼はあたしを見る。

男の子男の子した感じの、男前なつくりの顔。

体形も華奢じゃないので、いきなり喧嘩とか売られたら、怖いな。

って、身構える。


「本当に。あなたは、誰?刹那さんの友達?」


そいつはもう少し、疑わしげにあたしを見ていたけれど、突然、にっこりと微笑んだ。

笑った方が、全然かっこいい。

それに、

なんか惹きつけられる魅力を持っている。


「オレは英忠(ヒデタダ)。

刹那は、オレの憧れの春樹(ハルキ)の、想い人なんだ」



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