刹那の憂い(セツナのウレい)
「ごめん」


ヒデタダは、慌てて手を離した。

自分ではそんなに力を入れたつもりはなかったんだろう。

けど、こっちは十分怖い。


「悪かった。けど、あんただろ?

刹那のせいで、怪我した子って。

刹那は、その子のことを、すごく心配してるって」


「そうだったかもしれないけど、もう治ったし」


「刹那って、あんまり誰かに興味示したことないんだ。

なのにあんたのことは気にしてるって。

春樹が嘆いてて」
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