刹那の憂い(セツナのウレい)
『多分、好きだと思う』

何を?

思って、ちょっと歩く速度を緩めた。

刹那を見ようとしたら、いない。

振り返ると、綺麗な子に腕を捕まれて立ち止まっている刹那が見えた。

女の子は、赤くて長い髪で。

お人形のような可憐な顔で、刹那のことを見ていた。

ふ・・・うん。

彼女が、ハルキか。

何でか、ピンときた。

神出鬼没で、なかなかコワイな。

思いつつ、あたしはさっさと家に帰った。

< 62 / 203 >

この作品をシェア

pagetop