刹那の憂い(セツナのウレい)
『かっこいい男の子がそろってる店だから、変なのはよこせないのよ』

「だったら友行に」

『あの子に出来るわけがないでしょ?』

あたしは、口をつぐむ。

そうなのだ。

弟は、見た目は申し分のない子、なのだけれど、接客とか、物凄く苦手な性質なのだ。

「で?あたしは女なんですけど」

『大丈夫よ、あなた、なかなかイイオトコだから』

どういう意味だ。

男に間違われてことなんかないぞ。

女の子には・・・モテるけど。

「疲れてるんですけど」

『なーに?聞こえない』

くそ。

この古だぬき。

携帯を、放り出してやろうかと思った。
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