刹那の憂い(セツナのウレい)


営業時間が近づくと、バイトの子たちが出勤してきた。

その中に、なんと、ヒデタダが、いた。

あたしは凍り付いた。

逃げよう。

そう思ったけれど、彼のほうが行動が速かった。

さっとこっちに歩み寄ってくると、次の瞬間にはあたしを壁際に追い詰めた。

ドンと突き出された両腕の間に捕らえられて、見下ろされる。

うわ。

ちょっとコワいかも。
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