刹那の憂い(セツナのウレい)


そんな訳で、ヒデタダには近寄らないように、仕事をしていた。

とりあえず、洗い物でもしまくっていよう。

そう思ってるのに、あたらしい店員で女なあたしが気になるらしく、どうしても引っ張り出されてしまう。

なかなかカウンターの奥に引っ込んでいられない。

「わ~ダレ?あの子」

「あたらしいバイトです」

「うそ~省吾の傍で働くなんて羨ましい~って、ちょっと、可愛いじゃない。

やーん。

何?この子。

可愛い~女にしとくの勿体ない!!あたしこの子、目当てに通おうかしら」

って、ここ、ホストクラブじゃないんですけど。

あたしもホストじゃないし。

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