刹那の憂い(セツナのウレい)
刹那の出会い?
「姉ちゃん、誰か、客だけど」
弟の友行が言った。
友行の作った、絶品カルボナーラを食べている時だった。
レトルト、じゃなくて、お手製のヤツだ。
こういうのは作りたてが命なのだ。
これを逃すと、美味しさが落ちる。
生卵を使っているので、冷めてしまっても、レンジでチン。
は避けたいから、今しか、食べる、時はない。
なのに。
「え~っ」
「しかも、男」
友行の、綺麗な顔が険しくなる。
我が弟ながら、何でこんなに綺麗な顔で生まれて来たのか、謎だ。
まあ、母上に似たのだけれど。
ちなみにあたしは、父親似、だ。
父も悪くはないけれど、美貌、っていうのではない。