刹那の憂い(セツナのウレい)
「これでいい?」

お姉さんは、

陽気に笑った。

「仕方ないわね。

教えるわよ」

ヒデタダに向き直る。

あたしはそれを見届けると、

すっと逃げた。

カウンターを抜けて、

奥の小部屋に。

ああ。

頭がぐらぐらする。

あたしは、

でっかいソファに、

倒れこんだ。

< 92 / 203 >

この作品をシェア

pagetop