刹那の憂い(セツナのウレい)
慌てて飲むと、目標を間違えるのか、

口の大きさを理解してないのか、

溢れさせてしまう。

今もまた、

口に入らずに、

冷たい水が、

首へ流れ落ちた。

飲むのを止めて、

手の甲で、顎をぬぐう。

「どうしたの?うそだった、とか?」

「そうじゃない」

ヒデタダは、戸惑っている様子だ。
< 96 / 203 >

この作品をシェア

pagetop