刹那の憂い(セツナのウレい)
視線をあちこちにさまよわせて、

急に、真っ直ぐにこっちを見た。

「どうしたんだろ。

オレ、赤根のこと、

どうでも良くなって」

「そんな突然??」

ヒデタダは真っ直ぐにこっちを見たまま。

「そんな突然。

でも、本気、だと思う」

言って、あたしを両腕に捕まえた。

一瞬、はじかれて、

ペットボトルを落としそうになった。

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