CHERISH.
「道連れだなんて人聞きの悪い....」


『はぁ~。ホント河村君、柚に優しすぎだわ...』


「はい?あれのどこが優しいっていうわけ?」




『ぃや、どっからどー見ても柚、優しくされてるしっ』



百合は「絶対!」と付け加えた。



「いや、有り得ないね。てゅか1時間目なんだっけ?」




『え~と、確か数学かな?』


「えー最悪。ってかもうすぐチャイム鳴る!早く行こっ」


そう言ったあたしは数学の準備をして教室を出た。


『ちょっと待ってー!・・・ったくホントに鈍感過ぎるから・・・』



――――――――――――――――
―――――――…。放課後~


『おい、柚。掃除行くぞ。』


愁が教室前の廊下に来て、あたしを呼んだ。



「あ~、掃除か・・・忘れてたわ」



『下田に言われたんでしょ?まぁ頑張って~★』


百合はガッツポーズをしてきた。



「うーん。まぁ適当にしてくるわ」



『はいはーい、行ってらっしゃい♪』



「?・・・行ってきますー・・」


何でそんな嬉しそうな顔してんのさ、百合は。


そう思いながらあたしが教室を出ようとしたとき、


『えっと、柚ちゃん!』

クラスの女子に呼び止められた。

「ん?何ー?」


『柚ちゃんって河村君と付き合ってるのかなぁ~なんて』


「・・・ん?んな訳ないじゃん!ただの幼馴染だよ?やだ!そんな噂流れたりしてんの?



『ううん!そんなじゃないよ!ただそうなのかなあって思っただけだから!気にしないで!』


「あー、うん」




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