love letter
01.初めてのlove letter
・向日葵の絵の下で
春、新入生と部活、サークルの勧誘に大忙しの上級生で賑わう中庭から外れて、
美術部によって廊下に飾られた絵を眺める人、一人。
その絵も新入生歓迎のために飾られたものだが、新入生は一人も居なく、絵を眺めるのは、その子一人。
その子は一枚の絵の前で立ち尽くしたまま。
「春なのに向日葵…」
その子が呟く。
その時、美術部の部室に続くその廊下を一人の美術部員が通りかかった。
一枚の絵の前で立ち尽くすその子に気付き、美術部員は立ち止まる。
なぜならその絵は彼の描いたものだったからだ。
自分の絵を眺めるその子をしばらく離れたところから見ていた彼は、その子が自分の絵を眺めながら一瞬、微笑んだのを見逃さなかった。
「涼!!こんな所にいたの!?捜したんだから!」
その子の名前は“涼”らしい。
友達らしき女の子が涼に駆け寄る。
「あぁ、ごめんごめん!」
友達に連れられ、絵の前を離れた涼とすれ違う美術部員は、まだ、そこに立ち尽くしたままだった。
美術部によって廊下に飾られた絵を眺める人、一人。
その絵も新入生歓迎のために飾られたものだが、新入生は一人も居なく、絵を眺めるのは、その子一人。
その子は一枚の絵の前で立ち尽くしたまま。
「春なのに向日葵…」
その子が呟く。
その時、美術部の部室に続くその廊下を一人の美術部員が通りかかった。
一枚の絵の前で立ち尽くすその子に気付き、美術部員は立ち止まる。
なぜならその絵は彼の描いたものだったからだ。
自分の絵を眺めるその子をしばらく離れたところから見ていた彼は、その子が自分の絵を眺めながら一瞬、微笑んだのを見逃さなかった。
「涼!!こんな所にいたの!?捜したんだから!」
その子の名前は“涼”らしい。
友達らしき女の子が涼に駆け寄る。
「あぁ、ごめんごめん!」
友達に連れられ、絵の前を離れた涼とすれ違う美術部員は、まだ、そこに立ち尽くしたままだった。