ハッピーエンド
だから今夜、貴女は最後の夜と決めて僕に会ってくれたんだって、薄々は気づいてる。

そして会って、貴女の仕草にもう駄目なんだなって諦めた。

隠し事してるとき…つらいとき…貴女は下唇を軽く噛むんだ。気づいてた?

僕に足りなかったものって何?さっきからずっと考えてるんだ。
確かにあいつが持っていて僕が持っていないものはたくさんあるけど、本当に大事なところで負けてるものなんて無いと思うだけどな。

貴女に出会ってからまだ3ヶ月しか経ってないけど…まだ大好きだけど…約束だから、二人のルールだから、今日で終わり。

僕は、精一杯の強がりと優しさで、貴女が別れを切り出すタイミングを作るために、煙草に火をつけた。

そして一息吐き出すと、出会ってからのこと思い出してたんだ。
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