この空が晴れるまで
私は教室にいる夕陽に目をやる。
ぐっすりと眠っているようだ。
心のどこかで良かった。
そう思っている自分がいた。
「香奈~!」
和人が呼んできた。
「あのさ、今日
一緒に帰れねぇ?」
和人は目も合わせずに
言った。
『え?別にいいけど
いつもの事じゃん。
何で??』
私は不思議に思った。
「あの公園行きたくて。」
そう、あの公園とは
私と和人が幼稚園の時、
よく遊んだ公園だった。
大きな木の下で
言われた。
【大きくなったら
結婚しよーね!】
そんな幸せな
過去だけが
思い返される場所だった。