この空が晴れるまで








私は教室にいる夕陽に目をやる。





ぐっすりと眠っているようだ。




心のどこかで良かった。


そう思っている自分がいた。








「香奈~!」


和人が呼んできた。




「あのさ、今日
一緒に帰れねぇ?」





和人は目も合わせずに
言った。




『え?別にいいけど
いつもの事じゃん。
何で??』





私は不思議に思った。






「あの公園行きたくて。」




そう、あの公園とは

私と和人が幼稚園の時、

よく遊んだ公園だった。



大きな木の下で

言われた。




【大きくなったら
結婚しよーね!】


そんな幸せな
過去だけが
思い返される場所だった。


< 23 / 42 >

この作品をシェア

pagetop