この空が晴れるまで






『じゃあ…
うちここだから。
ありがとうね。』




夕陽にバレない様に

隣の家をそっと見た。




「そこ…
和人んちなんだ。」







『………』


夕陽は私の心を

全部知ってるかの様に


それを言葉にしていく。





「大丈夫だろ。
和人もお前の事…」



そこまで言ってから
夕陽は何かを思い出した様に


「あ、いや…
じゃ、俺帰るわ。
おやすみ」




片手を挙げて走って行って
しまった。




『…おやすみ…』




まだ太陽がかくれてないのに。




ちょっと早いおやすみは

なんだかとても

居心地がよかった。




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