曖昧




「あ、本題。忘れるとこやったわ!」

「へ?」


思わず変な返事。


「ちょっと協力してほしいねんけど。」

「あ、あたしがですかっ!?」


「あぁ、君がいいんよ。」

「えぇーー!?な、なにすればいいんですかね?」


「んー、あのなぁ、めっちゃ言い寄ってくる女が居るんやけど、そいつを諦めさせるためにちょっとの時間、彼女のフリしてほしいんやけど…」


えぇええええぇえ?

彼女のフリ!?


友達でもなんでもない私に彼女のフリ!?

無理やろっ!


どう考えても無理やろ!

あたしは先輩の横に並んだらだめな人やろー!?


えぇえええーー、
ありえんありえん、絶対ありえん!


「どーして私なんですか?」

「いや…、君しか居らん。」


えっ、ちょっ、勘違いしますって先輩!


私は一人で心の中に突っ込む。



「お願いや!俺に協力してくれ!それが終わったら、何でも言うこと1つ聞くから!」


「…いいですけど、本当に私なんかでいいんですかね…?」



「全然いいしっ!ありがとなぁ!」


その瞬間…

私の視界は一気に暗くなった。



そう、先輩がお礼を言ったのと同時に私に抱擁していた。

ちょ、ちょちょちょちょちょ!



やばいって!先輩の心臓の音聞こえるやん!

やばいよー////////


先輩めっちゃいい匂い…。



< 5 / 28 >

この作品をシェア

pagetop