曖昧





早速連絡してみようかな…。


私は先輩から受け取った紙を片手に、ただひたすら現実を受け止めようとしていた。


私が先輩の彼女…?

まぁ、フリだけど。


それだけでも十分。

先輩と一緒に居れる時間ができると考えると、今にも涙があふれそうだった。



机の上に無防備に置いてある携帯を手に取り、アドレスを記入した。

何度も何度も確認して、ゆっくり送信ボタンに指を置く。



「はぁ~…」


思わずため息が漏れる。

んー…何か不安なのかな。


うれしいことなのに。

喜ばしいことなのに。


緊張してるのかな?

今の自分の気持ちがわからない…。



押すことには始まらない。

そう思った私は、恐る恐る送信ボタンを押す。



“送信完了”の文字。

小刻みに震える携帯。


携帯が鳴ってるわけじゃなくて…私の手が微妙に震えてるんだ…。



携帯をゆっくり閉じ、元の位置に戻そうとした時…


~♪~♪…

思わず体がビクリッと反応する。



送信して数分も経たないのに、携帯が鳴った。

まぁ、先輩からとは限らないけど…


今のあたしの状況でそんなことを考える余裕がなかった。



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