お と う と 。
こんにちは、おとうとさん。



「……で?どだったの?顔合わせ」

「どうもこうも、普通だった」

「普通ってどう普通なのよ」


次の日の月曜日。


あたしは、講義前の空いた時間を使って、友達の結衣に昨日のことを事細かに話していた。


ふんふんとそれを聞いている結衣。


彼女とは高校からの付き合いで、ウマも結構合うし、あけっぴろげな話をしても、結衣だったら許せるし、結衣なら話せる。そんな仲だ。


「えーだからー、こう、初めての人同士っぽく、和やかに、仲良く」

「……それ普通?」

「違うの?」

「いやーあたしはそういうことないもんなあ。……分かんない」

「そりゃそうか」


結衣は、あたしの家の事情をよく知っている。だから、こういう話をしても、なんとなく察してくれるのだ。


いわく、お父さんのこととか。


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