お と う と 。


私の所属しているサークルは、智也君にも言ったけれど、いわゆる「遊び」のサークルだ。


学校の方には申請はしていなくて、もともと、「仲間内で集って、何かしたいためのつなぎ」の役割をしているだけの名ばかりのもの。


だけど、活動らしい事はちゃんとやっていたりする。まあ、らしい事って、会議してるかしてないかの違いだけなんだけれど。


「ってなわけで―。今日の会議は、ついはどこに行きたいかでーす」


借りた学校の一教室で、あたしたちは集まっていた。


会長とは名ばかりの人が少し遅れてくるということで、代わりの進行役として結衣が前に立っている。


「どこに行きたいか、何か希望ない?」

「平日にさ、遊園地いかねー?土日いつも混むしさ」

「平日―?あんた授業は?」

「ない日に行けばいーんだよ」

「そんな日、あるわけないでしょ」

< 16 / 25 >

この作品をシェア

pagetop