お と う と 。
二階には、部屋が四つある。
一つは父の寝室。これからは父と奈津美さんの寝室になる。
一つは、奈津美さんの書斎になる客室。
マンションにある家具を此処に持って来ると言うので、此処は奈津美さんが使いたいと言う家具以外は全て、私や他の部屋に行くか、捨てるかしている。
もう一つは私の部屋。
そしてもう一つが、私の隣にある、智也君の部屋になる客室、
あたしは、まず自分の部屋に入って荷物を片付けた。
レポートのある科目を、つけの左側に積み上げる。
その高さを見て少しゲンナリしながら、すぐに私の隣の、智也君のいる部屋のドアを、叩いた。
「智也君?」
「……」
「……智也くーん?」
「……何」
「あ、寝てた?ごめんね。でも、夕飯だって、奈津美さんが」
「わかった」
そういうと、智也君がドアを開けて出てきた。
そしてあたしを一瞥する。