お と う と 。


それから、あーそっか、と納得する。


奈津美さんにこの家であった時に絶句したのは、


奈津美さんが家にいた事ではなくて、「お帰り」って、言われたからだ。


あたしは少し笑って、「ただいま」と智也君に判るように呟いた。


「お帰り、姉さん」


そう言った智也君がそっぽを向いて、すたすた、階段で下へ降りてしまう。


けれど、その耳が真っ赤だったから、それに「姉さん」って呼ばれたのがちょっと嬉しかったから、あたしは、ほんのちょっとときめいてしまったのだけれど。


< 25 / 25 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop