お と う と 。


その奈津美さんは、私に微笑んでから、すこしだけ身体を後ろに向けた。


「それから、息子の智也です。智也、こちらがあなたの義父さんになる義孝さんと、義姉さんになる沙耶さんよ」


奈津美さんが体をずらすと、そこには奈津美さんと同じくらいの背丈の男の子が立っていた。


と言っても、奈津美さんはあたしよりも背が高い。


だからその子も、あたしよりは背が高かった。多分160は絶対あるんじゃないかと思う。


その子の髪はつやつやしたダークブラウンで、面立ちは奈津美さんに似て童顔だったけれど、とてもきれいだった。


同じ年の頃にはなかった肌のつやつやが、その子にはあふれるくらいにある。


とにかく奈津美さんの遺伝子を継いだのだろう、スタイルも良くて、どこか事務所にでも入ったらすぐにアイドルとして売り出せるんじゃないだろうか。


ただ、唯一の欠点は、その時その智也君は、あたしとお父さんに対して、素晴らしいぶっちょう面で対面したということだけれど。






そしてそれが、あたしと智也の、初めてあった日のこと。






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