破天コウ!
おれを探し出してくれる人の当てなんてのはおれにはないので、待っていても無駄なのである。とりあえず、動こう。
歩きだしたおれは、あることに気付きつつあった。この大学のキャンパス内では、碁盤の線の如く道路が十字に交差しているのである。そして、建物はその道路に真四角に囲まれるように建てられている。
つまり、平城京よろしく、この大学がある京都市内と同じような造りなのである。
嗚呼、きっとおれは天才だ。この短時間でそんなところに気付くなんてなんという恐ろしい観察眼。そんな誰にでも気付けるようなことに気付いたところで一体何になるというのだこの野郎。
そんなこんなでキャンパス内を放浪したものの、目的地には辿り着かなかった。当たり前だ、目的地がどの建物かすらおれは知らないのだから。
昔のおれなら、こんな事態、怖れもしなかっただろう。
ボクは特別な人間なのだ、天才的な探偵で、特殊な力を持っている。本能に従って歩く先に必ず目的地がある。ボクにはそんな能力がある。目的地にボクが向かうのではない、ボクが向かうその地が目的地になるのだとか意味のわからん中二病的発想を、昔のおれは遺憾なく発揮して下調べもなく知らない土地を突き進んでいた。
結果、一つの例外も無く道に迷っていたわけであるが。
歩きだしたおれは、あることに気付きつつあった。この大学のキャンパス内では、碁盤の線の如く道路が十字に交差しているのである。そして、建物はその道路に真四角に囲まれるように建てられている。
つまり、平城京よろしく、この大学がある京都市内と同じような造りなのである。
嗚呼、きっとおれは天才だ。この短時間でそんなところに気付くなんてなんという恐ろしい観察眼。そんな誰にでも気付けるようなことに気付いたところで一体何になるというのだこの野郎。
そんなこんなでキャンパス内を放浪したものの、目的地には辿り着かなかった。当たり前だ、目的地がどの建物かすらおれは知らないのだから。
昔のおれなら、こんな事態、怖れもしなかっただろう。
ボクは特別な人間なのだ、天才的な探偵で、特殊な力を持っている。本能に従って歩く先に必ず目的地がある。ボクにはそんな能力がある。目的地にボクが向かうのではない、ボクが向かうその地が目的地になるのだとか意味のわからん中二病的発想を、昔のおれは遺憾なく発揮して下調べもなく知らない土地を突き進んでいた。
結果、一つの例外も無く道に迷っていたわけであるが。