破天コウ!
「おお、そうですか、いいでしょう、いいでしょう。実はボクもこれから行くところなのです。ボクには『絶対方位自信』という名の特殊能力がありまして。どこへだって道に迷うことなく辿り着くことが出来るのです!」
「あ、ありがとうございます!」ミリちゃんは、おれの顔をまじまじと見つめつつ一瞬の間を置いてからちょこんと頭を下げた。「よろしくお願いします」
「いえいえ、こちらこそよろしく」」
おれは、一度コツンと、皮靴と道路を勢いよく叩きつけて響かせてから、もう一度回れ右をして歩き出した。
そして、我に返ってこう、心の中で叫んだのだ。おれの大バカ野郎! 末代まで呪ってやる!
やってしまった、久々にやってしまった。いや、久しぶりという程に久しぶりではないが、とにかくやってしまった。中二病を人様――それも可愛い女の子の前でモロに披露してしまったではないか。
どうしよう。
さっぱり道なんてわからないのに、というより最早おれ自体が迷子なのに道案内を引き受けてしまった。
ただでさえ女の子の比率が低いおれの大学。更にその中でも異常に女の子の比率が異常に低い、おれが所属する工学部。
そんな中で奇跡的に同じクラスにこんな可愛い女の子がいるというのに、初対面からカッコ悪いところを見せるわけにはいかない。
「あ、ありがとうございます!」ミリちゃんは、おれの顔をまじまじと見つめつつ一瞬の間を置いてからちょこんと頭を下げた。「よろしくお願いします」
「いえいえ、こちらこそよろしく」」
おれは、一度コツンと、皮靴と道路を勢いよく叩きつけて響かせてから、もう一度回れ右をして歩き出した。
そして、我に返ってこう、心の中で叫んだのだ。おれの大バカ野郎! 末代まで呪ってやる!
やってしまった、久々にやってしまった。いや、久しぶりという程に久しぶりではないが、とにかくやってしまった。中二病を人様――それも可愛い女の子の前でモロに披露してしまったではないか。
どうしよう。
さっぱり道なんてわからないのに、というより最早おれ自体が迷子なのに道案内を引き受けてしまった。
ただでさえ女の子の比率が低いおれの大学。更にその中でも異常に女の子の比率が異常に低い、おれが所属する工学部。
そんな中で奇跡的に同じクラスにこんな可愛い女の子がいるというのに、初対面からカッコ悪いところを見せるわけにはいかない。