破天コウ!

死亡フラグ

 二日後の、夕暮れ時。つまり、今。

 鴨川という名の、京都を代表する一級河川沿いをおれは独り歩いている。テニサーの新入生歓迎花見の帰り道である。

 昨日、ミリちゃんと連絡先を交換し、そういえばおれはまだ名乗っていなかったので軽く自己紹介しておいた。

 彼女は出身は京都だとか、なんだとか話していた。

 その後、おれを待っていたのはてっぺいとタカからの罵声。どうやって、あんな可愛い女の子と知り合いになったんだとか、どうして向こうから連絡先を聞いてくるんだとか云々。

 知らん、おれは知らん。ただ、きっとおれの日々の行いが良いからだろうとか答えておいた。

 世の中の不平等さに対して不満をぶちまけ続ける二人とも別れ、おれは下宿先に戻ったのだが、そこでミリちゃんから早速メールが来たのだ。

 絵文字がふんだんに使われた、それはもう大変に可愛らしいメールだった。日曜日、あるテニサーの花見に一緒に行かないかという内容だった。

 断る理由は無い。ちょうど、おれも暇潰しとタダ飯がてらにどこかのサークルの新入生歓迎会に行こうと思っていたところだったしな。

 おれは了解の旨を伝え、今日の昼過ぎ、集合場所に出向いた。『ラグナロク』だとかいう、一歩間違えればゲーム研究サークルだとか勘違いされそうな名前のサークルだった。
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