第七世界
乾はウルリカにトドメを刺そうとする。

「止めろ」

意識の奥底から目覚める。

「仮死状態にしたはずだが」

俺の傍にいるティーナさんは大量の汗をかいて、満身創痍のようだ。

きっと、俺のために能力を使ったのだろう。

「そこまでする、必要があるのか?」

「罪を償う機会を与えたお前は自分の首を絞める結果となった。もはや、疑問を挟む余地もあるまい」

「だけど、俺は、そいつの仲間なんだ」

「隣の女を見ろ。誰のせいでそうなった?」

「お前の、せいだろ?」

「人の責任にするというのは楽な方法だ」

気を失っているウルの首下に刀を持ってくる。

「省みろ。お前はあの状態で、何の打開策も生み出す事が出来なかった」

刀を下げようとするところに、何かが飛んでいく。

それを乾は刀で弾いた。

「驚かせて、ごめん、なさい。お願いだからー、待ってあげてー」

投げた構えのティーナさんは、力を振り絞ったのだろう。

「ティーナさん!無茶するんじゃねえよ!」

「恭耶君、あの人の言ってる事も、正しいんだよー」

「く」

自分だって分かっているけど、認めたくない。

「でも、ウルさんも、恭耶君が仲間だって、最後まで言ってあげれば、きっと、分かってくれるからー」

「ありがとう」

ティーナさんは笑顔を作って、気を失った。

「見逃してくれねえか?あんたが強いっていうのは見てて分かるんだよ。頼む」

「ふん」

乾は刀を鞘に収めると、傍にある椅子へと座った。
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