第七世界
上半身が完全に出来上がり、両足の傷も完治する。

アルトゥールの上半身は裸であり、首を動かしながら身体の駆動を確かめる。

「どんなに非情であれ、どこまで非常であれ、勝つ手段があればこそあなた方のストレスは発散されるのでしょう。ですが、この館でストレス発散を行うのは私。アルトゥール=アルトマン。ただ一人」

アルが決めポーズを決めていると、下に倒れていた女性達が立ち上がる。

「この方達は人間です。そして、ヴァンパイアでもあります。あなた達は半分でも人間を殺せますか?」

「おい、ふざけんじゃねえぞ!人の命を」

「なら、その人たちに問いたいですね。ヴァンパイアの命を何だと思っていると、ね」

「く」

「私は一度、殺されましたよ?」

「貴様の妹は話し合いをした。だが、貴様は敵意を剥き出しにし、殺意を持って行動を起こした」

乾は腰に手をかけ指弾を飛ばす格好になる。

「正当防衛と仰るのならおかしいですね。正当防衛というものは、同じ武器を持って、同じ位に立ってこその話ですよ。私は一人、武器を持っていたとしても、正当防衛には当たりません。そして、あなた達は罪を犯した。圧倒的な力で力の弱き者を殺した。平等を語るのならば、あなた達も一度死ぬしかありませんよ」

「平等?戦いにそんなものあるわけないじゃない。平等を語るのならあんたは殺してきた人間の数だけ死なないといけないわね」

「まあ、いいでしょう。私の目的はあくまでストレス発散であり、語らいではない。分かりますか?あなた達が死んで初めてストレス発散がなされる」

一通り言った後、アルの下僕である後女たちは襲いかかってくる。

「兄さん、止めよう。今世紀の人間は私達の生活を脅かしているわけでもない!」

下僕はウルにも容赦なく襲い掛かるが、片手で振るいのけ壁へと吹っ飛ばす。

無論、乾、キャサリンにもだ。

乾は刀を使う事無く指弾で足を潰し動けなくし、キャサリンはサマーソルトを決めてアゴを潰した。

そして、俺のところにも一体、襲い掛かる。
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