第七世界
乾の太刀が横に一閃するが、アルトゥールはバックステップで避ける。

その際、胸に傷がついたが、治る気配はない。

「残念だな。君は自分で自分の首を絞めた」

「これで、終わりと思っているのですか?」

「死んで詫びろ」

休む暇を与えることなく、乾が追い討ちをかけるために前へ踏み込む。

しかし、ウルが横から駆けつけ乾を攻撃する。

拳を受け流し、当身によってウルの身体を遠ざける。

「あなたは私に辿り着く事は出来ませんよ」

劣勢を立て直すために、アルトゥールが逃げようとする。

「はあ、もっと楽しい思い出作りをしたいな」

楓が、乾から遠ざかったウルの身体を側足蹴りで壁際へと吹っ飛ばす。

俺の蹴りとは威力が違う。

「人を操るのなら人前に出てきてはならない。不死身だとタカを括っていると取り返しのつかない事になる」

乾の刃を伸ばした爪によって防ぐ。

アルトゥールが焦りの顔を見せ始めた。

「リンチとは、正義面をした方々のやる事ではないですね」

「君は館のボスだろう?RPGで言うなら、ボスは正義面した奴らにリンチされるのがお決まりのパターンだ」

ウルの拳を避けながらも、楓は話している余裕がある。

そして、アルトゥールの爪が消耗し続け、ついには斬られる。

「終わりだ」

「まだですよ」

アルトゥールを庇うように、アルトゥールの上半身が口を開けて向ってくる。

「虎屠り」

下段から切り上げを行い、上半身を真っ二つにして上空に高く飛ぶ。
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