第七世界
「亜双!早くしろ!」

外から教師の声が聞こえてくる。

「あ、ごめん。行くわ」

「怪力で他の奴らを殺すなよ」

「あの時、君を殺しておけばよかったかな?」

「冗談だっつうの」

殺気を込めた眼差しを向けられると、トラウマが蘇る。

しかし、佳那美は何もせずに、軽々と籠を持っていった。

「さて、俺も授業に行くか」

教室に戻ると、国語の教師が睨みつけてくる。

「授業が始まってるんだぞ」

「分かってますぜ」

余計な事をいうと、疲労が溜まる。

俺は一言だけ言うと席へと座る。

何か、まともに椅子に座ったのは久々なような気がする。

「お前、何してたんだよ?」

隣の学生服を着たモブが俺に話しかけてくる。

「何だ、モブか」

「おいおい、モブはないだろ。俺には、あら」

「モブはモブだろうが。余計な名前言って、出番を増やそうとすんじゃねえ」

「ひ、ひどい」

「コラ、お前!遅れてきて、何を喋っている!」

国語の教師が顔を赤くしながら、チョークでこちらを指している。

「すいません」

モブのせいで、平穏な世界が揺るがされそうになった。

淡々と国語の教師が話を続け、黒板に文字を綴っていく。

授業に来たらきたで、眠くなってきたぜ。

眠さには勝てず、机の上に突っ伏した。
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