第七世界
「ふぁあ」

起きると、周りの奴は昼食をとっていた。

「刹那の奴は」

刹那は昼食を持ってきてなかったな。

「って、あれ？」

ポケットを探ると、財布がなくなっている。

「おーいおいおいおいおい！こりゃ不味いぞ！」

「何騒いでるんだよ」

隣の席で食堂で買ったであろうパンを食っているモブがこちらを見ている。

「またモブかよ！テメーに構ってる場合じゃねえんだよ！」

立ち上がり、机の周りやカバンの中を探してみるが見当たらない。

「クラスメイトをモブと呼べるお前の根性が怖いわ」

「うっせえ！テメーはパンでも喉に詰まらせとけ！」

「たく、心配してやったのに」

考えられるのは、どこかに落としたか。

いや、財布の足に当たる感触がなくなれば分かるはずだ。

ここで、思い当たる節が一つ浮かび上がってくる。

「刹那の野郎！」

あいつは財布を持っていない。

余計な物を買わないようにと、俺が金を管轄しているからだ。

ほしい物があれば、俺が許可を出して金を与えるシステムだ。

今の時間だと、食堂あたりに居そうだ。

俺は廊下を走って、食堂へと向った。

「刹那！出てきやがれ！」

食堂に辿り着くと同時に叫ぶ。

すると、食堂にいる全員がこちらを振り向いた。

その中には、佳那美と一緒に飯を食らっている刹那の姿もある。

「テメエ、いい根性してるじゃねえか」

刹那の付近まで歩いていくと、誰かに頭を掴まれる。

「な、何だあ？」

背後を振り向くと、何人かの男子生徒が立っている。
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