第七世界
「お前、自分が主人公だなんて思って」

「特権!」

後ろ回し蹴りで腹を蹴ってふっとばし、背景へと戻す。

「強い奴には特権を発動できないが、弱い奴だと出来るんだな。便利だぜ。っつうわけだ、佳那美、お前から話を聞くぜ」

「モブ君、放置プレイで問題なし?」

「問題ねえぜ。夏だし」

「そうだね。夏だし」

「ほんま暑いわあ」

刹那は話に興味がないらしく、転がっていたボールでリフティングし始めた。

何か忘れている気がするが、先に話を聞くか。

「海江田先輩は様々な武器を使うんだ。今は三節混だけで、他は隠してるけどね」

「おーいおいおい、他にもあんのかよ。面倒な野郎だな」

大体の人間は余裕で潰せるってところか。

「相良先輩は怪力だね。半殺しにした男は数知れず、ってなところ」

「男に恨みでもあんのか」

「ううん、男運が悪いだけ。クズな男にだまされやすいんだよ」

「お前、鬼にならなくても危険な奴だな」

「えー、そうでもないよ。で、クズな男に騙されやすいんだけど、一途な男と付き合ってもクズ男とのトラウマ的な思い出があって、一途な男がいい事をしようしたら勘違いの末に撲殺気味で病院送りってね」

「よく捕まらないな」

「何でだろうね。それで、柳生先輩、俗に言うオカマの人だね」

「もしかして、キャサリンっていうんじゃねえか?」

「知ってるんだ」

「ああ、ちっとばかし面識があってな」

「キャサリン先輩は乾先輩よりも格闘センスがあるって言われてるんだよ」

「あのオカマさんがな」

「でもね、知識、経験、統率力は乾先輩が上だから、リーダーは乾先輩になっているの」

乾は威圧があって重苦しいが、キャサリンは軽い感じだな。
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