第七世界
「鷹威君はクズ認定されるのが、そんなに嬉しいの?」

両手を広げて、演説の如く訴える。

「ちょ、ちょっと待て!何で俺がクズになるんだよ!」

美祢とデートするとクズ認定されてしまうのか。

「ああ、やっぱり馬鹿。鷹威君は生まれつき馬鹿なのよ!」

「お、お前、酷すぎる」

「相良先輩はクズ男と付き合うほどの男運のなさ!イコール相良先輩とデートに行くという事は、鷹威君はクズであるという事なの!理解できた!?」

「いや、それは分かったんだが、拒む理由は」

「あんた、佳那美の気持ちが理解でけへんのか!」

隣でも瞳を潤わせる刹那。

「は、はあ?」

「このアホウ!そう、これは友情や!」

一生懸命な姿を見ると、嫌でも伝わってくる。

「そうか、俺を底辺のクズにさせまいという佳那美の友情の心を踏みにじろうとしていたのか!」

「刹那ちゃん、自分だけ進展させようっていう気?」

しかし、佳那美は納得していない様子である。

「な、何言ってるんや!そんなセコイ真似するつもりないわ!」

不穏な空気になりそうな中、チャイムが鳴る。

「やべ、次の授業」

「ああ、楓の授業ちゃうかったか」

「OH マイ タランティーノ!」

また、放課後に何かやらされるのではないか。

「佳那美!」

「な、何?」

俺に両肩を捕まれた事により、大きくうろたえている。

「お前の怪力で、俺の教室までぶっ飛ばしてくれ!」
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