第七世界
「あ、あ、あ、あ、あ、ありがとうな」

「何で、そないにどもるん?」

「き、気のせいだろ、誰も、怖いなんて言ってない」

「そんなん聞いてないんやけど」

怖くない。

少し未来の食料だと思えば、普通に感じられるはずだ。

「刹那、やっぱり一緒に食べないか?」

「ううん、恭耶が食べたいって言ったんやから、先食べ」

刹那の野郎。

実のところ、これが生物兵器であると自覚してるのではないだろうか。

「明日、お前にパフェおごってやるよ」

「え?ほんまか!?」

大きく口を開けたところに、俺はヘドロを差し込んだ。

「むぐうう!」

目を見開いたのと同時に、悲鳴を上げようとしたが悲しそうな顔になる。

「そうか、悲しくなるような味なのか」

刹那は、恨みとつらみを込めた目で俺を見ていた。

「心配すんな。お前が味見したのなら、俺も食ってやる」

それが、どんな味であったとしてもだ。

刹那には逃げさせないために、先に食わしただけである。

俺は口に運び、食べてみた。

以前のよりかは、刺激は減っている。

しかし、それでも世界を破壊するほどの物に変わりは無い。

刹那が悲しそうな顔になるのも分かった。

何故か、野菜が生臭く感じてしまう味になっている。

どうやったら、料理を兵器に進化させられるのか教えて欲しいものだ。

「ま、まあ、以前よりかは、ミジンコ程度は成長した、かもな」

「嘘は、ええわ」

刹那はやる気をなくしてしまったようだ。
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