第七世界
刹那の後に俺が風呂に入って、ベッドに潜り込もうとしたところだ。

「ふう」

今日は非常に疲れた。

財布の金は勝手に使われるわ、何とも思ってない女にデートを強要されるわ、喫茶店では鬼娘に熱いお湯をかけられるわで、痛々しい一日となった。

不幸とまではいかないが、よほどのエムで無い限りは嬉しくは無い。

あまりに媚びた女の子は好きじゃないし、一撃で死ぬかどうかのギャンブルを仕掛けてくるようなスリリングな女の子もちょっとどうかと思う。

我が侭といっちゃ我が侭だけど、縁という事もあるだろう。

「あー、もう寝よう」

目を閉じたところで扉を叩く音が聞こえてくる。

「刹那か」

「うん、入ってええ?」

「いいぜ」

刹那が水色のパジャマ姿で入ってくる。

いつもの乱暴な刹那とは思えないような静かな足取りでベッドに近づく。

「オラ!」

油断していたところにダイビングボディープレス。

力を抜いてたせいで、ダメージが大きい。

「おまえ、最後の最後まで、迷惑かけて」

「恭耶」

そして、俺に抱き付いてくる。

「心配かけて、ごめん、な」

随分としおらしい声で謝ってくる。

「お前がそう思ってくれているのなら、それでいいぜ」

その勢いで明日から変わってくれるのならありがたい話だ。

「じゃあ、寝るぞ」

「うん」

俺達二人は同じベッドの上で朝まで寝ることとなった。
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