第七世界
「きゃきゃ!」

近くで見るとイカれてる具合が良く分かる。

白目で、口からは涎をたらして舌も出ている。

「こいつは」

袈裟斬りを何とかサイドステップで回避する。

「はええ!」

カッターシャツの一部が切れる。

「弁償しろや、こらあ!」

俺が拳を出そうとしたところで、襟首を持って後ろに引かれる。

拳を出したところを刀が一閃。

「ふう、あぶねえ」

「安易に動くものじゃない」

「でもよ」

「きゃああああ!」

今度は香坂のほうへ襲い掛かる。

「くそ!間に合わねえ!」

「夜は出歩くなと言っただろう」

上空から刀が降り注ぐ。

浮浪者は後方へ下がった。

その後に降りてきたのは、乾だ。

「乾」

「皆木教師、邪魔だ。今すぐ帰れ」

刀を拾い、構える。

「残念だが、これは授業なのでね」

「なら、邪魔にならないようにだけしてもらう」

乾と浮浪者の刀が交わり、大きな金属音を立てた。
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