第七世界
ベルの音が鳴り出す。

現実の世界に戻された。

時計を見ると、8時5分を指している。

学校に遅刻する時間だ。

慌てて着替え、家を出る。

「このままじゃ楓にどたまカチ割られるぞ」

学校まで死ぬ気で走りまくる。

だが、間に合わなかった。

廊下には担任の皆木楓が待っている。

「今日遅刻したらどうなるかわかってるはずだよな?」

「忘れた」

わざと忘れた素振りを見せる。

「じゃあ、思い出させてあげよう」

笑顔を見せて、フックの素振りをしながら近づいてくる。

「待て、思い出したぞ」

「何を思い出したのかな?」

「帰ってぐっすり休めというんだ、おわ!」

目の前にストレートが飛んできたので、サイドに避ける。

「いきなり何するんだよ!危ないじゃないか!」

「避けたら意味ないじゃない」

「お前、本気だろ、本気で俺を殺そうと」

「思い出させようとしてるだけよ」

「こだわり過ぎじゃないのか?」

「そうかもしれないな」

「そうだろう?というわけでこの辺でと」

教室へ向かう瞬間、襟首をつかまれていた

「逃げようたってそうはいかんよ。きっちりやってもらいたいことがある」

楓の殺気はどんどん増している。

完全に切れる前に俺は諦めて役目を果たすことにした。
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