第七世界
刹那は手に持ったお盆を机に置いた。

「これ食って、恭耶のアホが直ればええな」

そのまま、部屋を出て行ってしまった。

「俺は生粋のアホなんだぜ?」

そう独り言をいいながらも、お盆の上のものを見た。

そこにあるのは、創作料理ではなく真っ当なおかゆだった。

刹那だって人間の子だし、やる時はやる。

ストーリー性があるならば、創作料理のほうが良かったのか?

いや、俺の体を気遣ってくれてる証拠だろ。

自分の興味のないものに手を出してくれたんだからな。

おかゆを口に含む。

「うん、まあ、そこそこ」

食欲だけは旺盛で、数分後には器の中はすっからかんになっていた。

「あいつ、俺より上手くなってんじゃねえか」

創作料理を作らせなければの話だがな。

「ふう」

退屈すぎて、面白みを感じない。

だからといって、戦いたいとかいう馬鹿な願望もない。

「恭耶、元気にしてるか?」

「ああ、元気だって、おおおい!何で窓から入ってくるんだよ!」

窓の外にいたのは、楓だった。

「別に問題はないと思うが」

「いや、俺にもプライベートというものがあってだな」

「君がプライベートなんて言葉を知ってるとは、不思議な話もあったものだ」
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