第七世界
「たく、そんな事を言うためだけに、ここに来たのかよ?」

「私がそんな暇人に見えるか?」

以前、人の家で寝こけてた暇人はどこの誰なんだよ。

「そうか、君はそう思うわけか」

「いつもいつも、俺が悪い風になってるけど、そうでもねえだろうが」

今回は一方的に俺が被害者なわけだ。

「それより、君は結婚についてどう思う?」

「いや、何で急にそんな言葉が出てくるんだよ?」

「質問に質問で返すなと何度言えば、君は理解するのか」

「分かった分かった。楓の年齢なら、別にいいんじゃねえのか」

「ほう、君は私に結婚してほしいという気持ちがあるわけだな」

「んなもん、楓の気持ちが一番だろ。結婚する彼氏でもいんのかよ?」

楓を相手にするような男がいるとも思えないがな。

「ほう、君はとことん余生を私の元で過ごしたいというところか」

「あのな、誰もそんな狂気の世界に足を突っ込む奴はいねえよ」

「なるほど。明日にでも留年の手続きをしておこう」

「だああ!嘘嘘、超嘘だ!」

さすがの俺でも、留年しては親に合わせる顔がない。

「それは置いといてだ」

「いや、置かずに消してくれよ」

「これを見るんだ」

俺の元に差し出されたのは出席簿くらいの大きさくらいの白く薄い本のようなもの。

いや、本のように厚みはなく、薄い。

中をあけてみると、映っているのは男だ。

「なんだよ、これ」

「実はな、見合いをする事になったんだ」
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