第七世界
「うご!」

ドスンと音が鳴らんばかりのプレスが全身に襲い掛かる。

あまりに唐突だったので、何が起こったのかはわからない。

「な、なんだあ?」

頭を振りながらも、自分の意識を覚醒させた。

朝の日差しが、カーテン越しに差し込んでいる。

上に乗っているのは刹那だ。

「恭耶、おはよう」

「お前はな、自分の部屋には勝手に入るなと言うわりには、俺の部屋には入ってくるんだな」

「ええやんええやん。ボクらって、そういう上下関係が築かれてるやろ」

「いつから、そんな主従関係があるんだよ!重いからどけ!」

「はあ?誰が重いやて?」

再び空中に飛び上がると、落下エルボーが内臓に響きわたる。

「ごはあ!」

「せっかく起こしにきたったのに、何や、その言い方」

何度も跳ねながら俺を痛めつける。

「ちょっと待て。お前が早く起きたのはたまたまだろ!?いつもはもっとぐっすり寝てる時間じゃねえかよ!」

重いというのは言葉のあやだ。

実際は軽いのだが、朝っぱらからぼろぼろにされれば誰だって言いたくもなる。

しかし、刹那が早起きするというのは珍しい。

世界が破滅するのではないかと思うくらいにだ。

無邪気にはしゃぐ子供に、お仕置きでもしてやろうか。

俺は落ちてきたところを、抱きしめる。

「な、何するんや?」

「お前がいつまでもやめないからだろ」
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