第七世界
「楓、まだ時間あんだろ?」

「君に割く時間はないのだがな」

「俺じゃねえって」

俺は刹那に目をやった。

ティーナさんもそれに気づいたようで、楓に目配せをする。

「仕方ないな」

車を傍にあった、駐車場にとめた。

近くにはデパートが存在していた。

「行ってこいよ」

俺は刹那側のドアを開けた。

「何がや?」

「その服でもいいけど、お前的にはちゃんとした服着ときたいだろ」

「余計なお世話や」

「今日は俺の金使っていいから、何か買って来い」

「恭耶のいう事なんか」

「刹那ちゃん、行こうー」

すでに降りたティーナさんが刹那の腕を引っ張った。

「ちょ、強引すぎるわ!」

引きずられるままに、刹那はデパートのほうへと向かっていく。

車内に残るのは俺と楓だけとなった。

「まったく、世話焼かされるぜ」

「もとより、君のせいだがな」

「はあ?」

「強姦に拉致。立派な犯罪だ」

「前者は何とも言えんが、後者は明らかに楓の得意分野だと思うけどな」

主に俺に対してのだけどな。
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