第七世界
俺は一人、庭掃除をしている。

家にも入れず、外にも出られず。

他のみんなは中で楽しく話をしてるに違いない。

「くそ、何でこんなところにまで来て、学校行事みたいなことをしなくちゃならねえんだよ」

そういえば、俺って何しに来たんだっけ?

「楓の見合いがどうだとかっていう話じゃなかったか」

それが、佳奈子さんが出てきたりだの、鷹威がどうだので話が良く分からなくなってしまったんだよな。

見合いをなくすってだけで、付属品が多すぎるんだよ。

「おっと、余計な考えもいけねえんだよな」

俺は箒を履き続ける。

草むらが動いたような気がする。

人の気配も感じた。

「誰だよ?」

立ち上がり、草むらから出てきたのは仮面の男だ。

俺は箒を捨てて、構える。

仮面の男は立ったまま、何も言わない。

「何か用かよ?」

「お前は、どうするつもりだ?」

「俺が知るかよ。っつうか、何でそんなことを聞くんだよ?」

「余計なところに刹那を連れて来て、お前はどうするつもりだ」

再び聞いてくる。

「刹那だと?」

そういえば、以前も刹那を連れ去ろうとしていた。

しかし、真意が分からない。

何のために刹那を連れて行く。

今回は刹那のことで話をするつもりか。

「どうもしねえよ。あいつはほとんど関係ないからな」
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