第七世界
「く」

理解はしていたが、力の差が大きすぎる。

最初から、格が違っていた。

仮面の男には、誰も敵わない。

もう一撃、放つ。

「うおおおおおおお!」

連打で拳を放ち続ける。

型も何もあったものじゃない。

「砕けやがれえええええ!」

未だに中華服がよれただけで傷一つない。

「はあ、はあ」

「五射穿孔」

楓なら三発受ける事が出来た。

しかし、俺には一撃も、受ける事は出来なかった。

五発の拳が俺にめり込み、俺は後方へ吹っ飛ばされる。

「が、あ!」

「結局、お前は自分の力をコントロール出来ていない」

「また、あんたか!」

刹那が庭へと駆け出し、俺の傍へと寄ってくる。

他には、吸血鬼の一族が出てきていた。

「何で、あんたが、恭耶をボコボコにする必要があるんや!」

「お前を救うためだ」

「ボク、を?」

「刹那、今回ばかりはお前を連れて行く」

「させないよー」

俺と刹那の前には、ティーナさんと楓が盾となって立つ。
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