第七世界
「あなたは人様の庭で何をやっているのですか?」

「関係ないな」

仮面の男が拳を放つ。

それを、受け流す。

「あなたの拳には殺意はないみたいですね。しかし、恐ろしい程に人を傷つけます」

冷静な瞳で仮面の男を見据える。

「母さん」

気絶していない楓がふら付きながらも、立ち上がる。

「楓、そちらのお客様達を奥へ運びなさい」

「分りました」

「おい、楓」

「今は、彼女の言うとおりにするんだ」

楓はティーナさんと佳奈子さんを運ぶ。

「刹那、先に、行ってろ」

俺は立ち上がる。

「恭耶は」

「俺は、まだ行けねえ」

「あほ、役にたたへんのに何言ってるんや!」

「いつも言ってるだろ。壁くらいにはなれるってな。だから、行け」

「そんなん、ボクが納得できるわけあれへんやろ!」

「大丈夫だ。一緒に成長するっていっただろ。それに、楓一人じゃ二人は重いんだよ。手伝ってやってくれよ」

俺は刹那の目を見つめる。

「言う事きかへん奴やな」

「わりいな」

「絶対、戻ってくるんやで」

「任せとけってんだ」

刹那は俺から離れて、楓に続いて行く。
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