第七世界
「邪魔です、あなたも行きなさい」
仮面の男と対峙してる梓さんは、抑揚のない声で俺に告げた。
「やだね」
「馬鹿な事を言うんじゃありません。あなたは、あの子を守るという使命があるのでしょう?」
「確かにそうだけど。女一人戦わせて、男が背中見せるなんて、納得出来るかよ」
「役に立たないと聞こえませんでしたか」
「あいにく、耳が悪くてね」
足に気合を入れ、俺は梓さんの隣に並ぶ。
「盾くらいにはなれるさ」
「分りました」
そういいながら、梓さんの裏拳が飛んでくる。
俺はしゃがみ、紙一重で回避した。
「お、おいおい、正気か」
「避けましたか」
「まさか、俺をどうにかするんじゃないだろうな?」
「いえ、今の一撃をどうにかできないようじゃ、盾にすらなりませんから」
梓さんが冷たい目で俺を見下ろす。
さすが、吸血鬼の一族だけあって、容赦がない。
「本当に、先方には申し訳ない事をしてしまいました」
着物の隙間から生足を出し、構える。
「全て、あなたのせいですよ」
仮面の男は律儀に待っていたようだ。
「一度だけ言う。邪魔をするな」
「邪魔?それはあなたの事ではありませんか?」
仮面の男は黙る。
そして、水面のごとく、静かに動き出した。
仮面の男と対峙してる梓さんは、抑揚のない声で俺に告げた。
「やだね」
「馬鹿な事を言うんじゃありません。あなたは、あの子を守るという使命があるのでしょう?」
「確かにそうだけど。女一人戦わせて、男が背中見せるなんて、納得出来るかよ」
「役に立たないと聞こえませんでしたか」
「あいにく、耳が悪くてね」
足に気合を入れ、俺は梓さんの隣に並ぶ。
「盾くらいにはなれるさ」
「分りました」
そういいながら、梓さんの裏拳が飛んでくる。
俺はしゃがみ、紙一重で回避した。
「お、おいおい、正気か」
「避けましたか」
「まさか、俺をどうにかするんじゃないだろうな?」
「いえ、今の一撃をどうにかできないようじゃ、盾にすらなりませんから」
梓さんが冷たい目で俺を見下ろす。
さすが、吸血鬼の一族だけあって、容赦がない。
「本当に、先方には申し訳ない事をしてしまいました」
着物の隙間から生足を出し、構える。
「全て、あなたのせいですよ」
仮面の男は律儀に待っていたようだ。
「一度だけ言う。邪魔をするな」
「邪魔?それはあなたの事ではありませんか?」
仮面の男は黙る。
そして、水面のごとく、静かに動き出した。