第七世界
「行くぜえええ!」

俺は足を踏み出し動く。

「無駄だ」

「五射穿孔!!」

脳みそに刻まれた記憶をフル回転させる。

放っていた記憶。

自分に当てられた記憶。

全てを纏め上げる。

そして、人外である吸血鬼の力をフル活動させた。

五発の拳が音速を超えた。

吸血鬼故に肉体が壊れる事はない。

いや、肉体が壊れても回復するのだ。

それを回避する事なく、手のひらで受け止める。

やはり、自分の技を熟知しているからこそ、来る場所を理解しているようだ。

「未熟な技など効果はない。雷鋼拳」

「巌鋼体!」

まっすぐに伸ばされた拳が腹にめり込む。

しかし、俺は踏ん張る。

「うおおおおお!」

吸血鬼の血が肉体を回復させ、踏ん張る事が出来る。

「精神論じゃねえんだぜ。今度はこっちから行くぜ!雷鋼拳!」

一撃必殺も受け止められる。

「俺自身の技で敗れる事はない」

無茶な技の連打により回復が追いつかず、俺の体はボロボロになり始めていた。
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