第七世界
「はあ、はあ」

動かないわけではない。

「それだけか?それだけで、コントロールした気になっているのか?」

ひどい眩暈が襲いかかる。

吸血鬼の血が人間の血を求めているかのようだ。

治癒力を使いすぎているらしい。

「終わりだ」

「まだだ!まだ、倒れちゃいねえ!」

俺は構える。

「同じ技なら止めろ。無意味だ」

「やる気なんかねえよ」

「ならば、見出したか」

「俺が知るか」

何も思いつく事はない。

連打も一撃必殺も、意味がないのならどうすればいい?

多分、関節技なんてもってのほかだ。

手から放てるのは拳だけ。

「刹那」

刹那の行っていた技を思い出す。

『発頸』だったか。

今の体がどれだけの力を出せるかは分らない。

組み合わせ、新しい技を組み立てるしかない。

雷鋼拳の速度と発頸の回転。

「行くぜ」

威力は分らない。

しかし、体に対しての負担はとんでもないものになるだろう。

「ここでやらなけりゃ、男が廃る!いっちょ、かましてやるぜ!」
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