第七世界
再び構える。

「刹那、仮面の男、お前らの技を俺は信じる」

「俺の技を、か」

仮面の男は笑う。

表情は見えないが、そう思えた。

「お前は敵だが、技は一流だからよ」

「ならば、それを潰せば今のお前では何もなくなる、という事か」

「バーカ、先に潰れるのはお前だぜ」

刹那の構えに仮面の男の構えをアレンジする。

一朝一夕。

そんなところで技が完成するかどうか言えば、ノーだ。

しかし、やるしかない。

後ろは崖だ。

退けば落ちる。

刹那もいなくなる。

「やってやらああああああ!」

一歩を踏み出し、背後の足から回転を加える。

「うおおおおおおおお!」

体がねじれ切れるほどのスピードを加える。

体がばらばらになりそうだ。

眩暈もする。

だが、乗り越える。

「刃・雷・拳!」

仮面の男は回避しようとしない。

理由は、分らない。

しかし、ただ突っ立っているわけではなく、拳を受け止めようとしていた。
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