第七世界
仮面の男は片腕で受け止める。

しかし、腕の他の部分が衝撃波によって刃に斬られたように血が飛び散る。

そして、拳の回転が止まり、仮面の男に全てを受け止められた。

「終わりか」

「く、そ」

俺は全ての力を使いきり、膝を突いた。

「ギリギリ、合格点だな」

「何?」

そして、仮面の男の仮面が割れた。

そこにあるのは、俺の顔だ。

「どういう、事、だ?」

俺が二人いる。

「ドッペルゲンガーでもなんでもない。俺はお前で、お前は俺だ」

男の体が薄くなっていく。

「時間がないから、さっさと説明する。口は挟むな」

「わけがわからねえから、さっさとしろよ、俺」

俺が二人いる時点でも混乱している。

しかし、消えかかるので、説明してもらうのが先だ。

「俺は並列世界から来た。全ての現状を変えるために」

「なるほどなるほどって、納得できねえ」

「口を挟むなといっただろ。俺の世界にも俺が来た。だが、状況は違っていたがな」

「何で、こっちの世界に来る事になったんだ?」

「刹那を、救うためだ」

「刹那を?」
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