第七世界
制服を着た刹那と登校する。

以前までは一人だったのに、今は二人で居ることも多いな。

刹那に変わった様子はないのだが、いつ体に異常をきたすかわかったものじゃない。

いや、単に体が心配だから二人でいるってわけでもないんだがな。

「恭耶、ボクの制服姿がそんなに愛おしいんか?」

平然と恥ずかしい事を言う刹那の頭の螺子が緩んでいるのだろうか。

秋だしな。

食欲の秋、読書の秋、体育の秋。

しかし、刹那にとってはどれも当てはまらないんじゃないか。

食欲旺盛というわけでもないし、読書が好きというわけでもないし、体をハチャメチャに動かすわけでもない。

そういう人間は愛や恋などという物に現を抜かすわけだ。

否定をするわけじゃないんだがな。

刹那の事はどっちかといえば好きだしな。

「確かにかわいらしいと思うぜ」

「言うようになったやんか。どこが可愛いんか四文字程度で言うてみ」

「制服」

「このロリコン!」

殴られはしなかったが見当違いの突込みを入れられる。

「ボクみたいな幼児体系な女の子が制服着てるのが好きなんやろ」

「被害妄想も大概にしろよ」

自分で言ってて、ダメージを受けないのだろうか。

「ボクだって、ちゃんと毎日自分を磨いてるんや!」

小さな体で大きく胸を張る。

一向に無双の創作料理を止めようとしないところ、磨いてるとはいえない。

今でも気づいたら作られてるわけだからな。
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